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2025.04.25

車の名義人とローン契約者が違うケースのメリットとデメリット

アウディヤナセオートモーティブの清水です。

 

車を購入する際、ローンの契約者と実際に車に乗る人を別々にしたいというケースがあります。

 

「車の名義人とローン契約者が違っていても問題ないのだろうか」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

 

実際には、名義人とローン契約者が異なっていても契約が可能なケースは多くあります。

ただし、後々トラブルにならないよう、正しい知識を持っておくことが大切です。

 

今回は、車の名義人とローン契約者が異なるケースの例や、メリット・デメリットについてご紹介。

さらに、自動車保険、納税、車検などの扱いについても解説します

名義のイメージ

 

 

車の名義人とローン契約者が違うのは大丈夫?違うケースを確認

車の名義人とローン契約者が違うケースは、珍しくありません。

 

ただし、それぞれの役割や責任を理解せずに契約を進めてしまうと、後々問題トラブルが発生する可能性があります。

 

まずは、車検証上の「所有者」と「使用者」の違いを正しく理解することがポイントです。

 

「所有者」とは、車を所有する権利を持つ人で、売却や譲渡が可能な立場です。

 

車の所有者は、納税義務があり、所有者として所有に伴う責任を負うことになります。

 

一方「使用者」は、実際に車を使用する権利を持つ人で、車を安全に管理・運行できる状態に維持する義務があります。

 

ただし、所有権はないため、車の売却や譲渡はできません。

 

そして、ローン契約者は、車両購入のために資金を借り、返済の義務を負う人のことです。

 

また、車を購入する際に利用するローンの種類によって、所有者と使用者の関係性は変わってきます。

 

例えば、銀行系のマイカーローンでは、車の購入者が金融機関から直接資金を借り、自身が「所有者および使用者」となるのが一般的です。

 

一方、ディーラーローンや自社ローンでは、「所有権留保」という特約が付くのが一般的です。

 

この場合、ローンを完済するまではディーラーや販売店が所有権を保有し、ローン契約者は使用者として車を利用します。

 

そのため、ローン完済後には「名義変更(所有権移転)」の手続きが必要になります。

 

車の名義人とローン契約者が違う例

車の名義人とローン契約者が違うケースについて具体的な例を見ていきましょう。

 

まずは、車の使用者とローン契約者が同じで、車の所有者が別の人物となっているケースです。

これは、前述のようにディーラーローンや販売店の自社ローンを利用した場合によく見られます。

 

一方、ローン契約者と車の所有者が同じで、実際に車に乗る(使用する)人が別の場合には注意が必要です。

 

よくあるケースとしては以下のような例があります。

  • 同居家族の子が主に使う車を、父がローン契約する場合
  • 夫婦が共有する車を、妻がローン契約する場合
  • 遠方に住んでいる親が使う車を、子がローン契約する場合

 

このような場合は、任意保険の契約内容に注意が必要です。

 

任意保険の契約者と車検証上の使用者が一致していない場合、万が一事故が発生した際に保険の補償が適用されない可能性があります。

 

また、「遠方に住んでいる親が使う車を子がローン契約する場合」は、注意が必要です。

 

車の所有者・使用者ともに子ども名義でありながら、実際に車を使用するのが親である場合、保険会社などから「名義貸し」と見なされるリスクがあるため、避けたほうが良いでしょう。

 

トラブルを避けるためには、所有者を「子ども」、使用者を「親」の名義にしておくと安心です。

 

 

車の名義人とローン契約者が違う場合のメリット・デメリット

車の名義人とローン契約者を別々にすることには、メリットとデメリットがあります。

これらを理解した上で、自分の状況に合った選択をすることが大切です。

 

メリット

車の名義人とローン契約者を別々にする最大のメリットは、ローン審査に通りにくいとされる方でも、車を利用できるようになる点です。

 

経済的に安定している家族がローン契約者となり、本人は使用者として登録することで、ローン契約者でなくても車を使うことができます。

 

具体的な例としては、アルバイトで収入が不安定な大学生の子どもに対し、親がローン契約者となることで車を利用できるようになるというケースが挙げられます。

 

また、夫婦の場合、信用力の高いほうがローンを組むことで審査に通りやすくなったり、金利条件が有利になったりする可能性もあります。

 

デメリット

車の名義人とローン契約者を別々にするデメリットもあります。

 

まず、使用者の立場である限り、車の売却や譲渡ができず、名義変更などの手続きが必要になるため、追加の手間や費用がかかります。

 

また、ローン契約者と使用者の関係に変化があった場合、車の利用や返済に関してトラブルが生じる可能性も考えられるでしょう。

 

このような点を考慮して、名義人とローン契約者を分けるかどうかを判断する必要があります。

 

 

車の名義人とローン契約者が違う場合、自動車保険・納税・車検はどうなる?

自動車とクエスチョンマーク

車の名義人とローン契約者が異なる場合、自動車保険、納税、車検などの手続きについても、事前に理解しておくことが大切です。

 

自動車保険の場合

自動車保険には、自賠責保険と任意保険の2種類があります。

 

自賠責保険は法律で加入が義務付けられている保険で、通常は車の所有者名義で加入します。

 

ただし、ディーラーローンのように所有権がディーラーや信販会社にある場合は、使用者が契約者となるのが一般的です。

 

また、自賠責保険は「車両に付随する保険」であるため、名義が前の所有者のままでも補償は受けられます(例:名義変更直後など)。

 

例えば、譲渡などで車の名義人が変わっていても、自賠責保険の名義が前の所有者のままでも、補償そのものは受けられます。

 

一方で任意保険は、所有者や使用状況によって契約条件が異なります。

 

一般的に、所有者が本人、配偶者、同居の親族、ディーラーや信販会社である場合は、任意保険に問題なく加入できます。

 

ただし、別居の親族や第三者(友人・知人)が所有する車の場合は、任意保険に加入できないケースがあります。

 

また、任意保険では、車を主に運転する人(使用する人)を「記名被保険者」として設定し、「運転者本人限定」「本人と配偶者限定」「家族限定」などの条件を選択し、定めた範囲内で補償を受けられるのです。

 

任意保険については、実際の使用状況に合わせた内容で契約することが重要です。

 

納税について

自動車税の納税義務は、基本的に車検証上の「所有者」にあります。

 

ただし、ディーラーローンなどで所有権留保が設定されている場合は、実際に車を使用している使用者が納税の責任を負うのが一般的です。

 

例えば、ディーラーローンで購入したローン完済前の車両の場合、車検証上の所有者名義はディーラーや信販会社となっていますが、納税通知書は「車の使用者」に届き、実際の納税も使用者が行います。

 

車検について

車検については、車両を安全に運行するために必要で、管理義務は使用者の責任において行われるのが一般的です。

 

ディーラーローンなどで車の所有者がディーラー・信販会社である場合でも、車検の手続きや費用は車の使用者が負担します。

 

つまり、車検証に記載された使用者が、メンテナンスや故障時の修理も含めて車を管理する責任を持つことになるのです。

 

 

車の名義人とローン契約者が違う場合の注意点

車の名義人とローン契約者を分ける場合、いくつかの注意点があります。

トラブルを避けるために、事前に理解しておきましょう。

 

ローン返済中の名義変更は原則できない

ローン返済中は、所有権留保が設定されているため、原則として所有者の変更(名義変更)はできません。

 

万が一、ローン契約者が返済不能になった場合、名義変更ではなく、車を手放すことになるのが一般的です。

 

この場合、車はローン会社に引き上げられ、売却した金額が未返済のローン債務に充てられます。

 

ただし、ローン契約者が亡くなった場合は例外で、ローン契約は相続の対象となります。

 

相続人が「車とともにローンを引き継いで返済していく」「相続放棄を選択する」かを判断する必要があります。

 

ローンを完済した後の所有権留保について詳しく知りたい方は、「車のローン完済後は所有権留保の解除を行い車検証の名義変更を!」をご参考ください。

 

使用者としての義務を理解する

車検証上の使用者として登録されると、車の維持・管理に関する義務を負うことになります。

 

車を安全に運行できる状態を保つために車検の実施や定期点検、メンテナンスなどは使用者の責任です。

 

一方、ローン契約者には車両の維持管理に関する義務はありません。

 

そのため、使用者として登録される際は、適切なメンテナンスを行う必要があるといった使用者としての義務を理解した上で適切な対応を行う必要があります。

 

ローンが残っている車を買い替える方法を知りたい方は、「ローンが残っている車を買い替える方法は?流れやタイミングもご紹介」をご覧ください。

 

 

車の名義人とローン契約者が違う際の役割について正しく理解しよう

車の名義人とローン契約者が異なるケースは珍しくありませんが、それぞれの役割や責任を理解しておくことが重要です。

 

所有者は車の法的な所有権を持ち、使用者は実際に車を使用・管理する立場にあります。

 

ローン契約者、所有者、使用者の関係は、利用するローンの種類や契約内容によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

 

車の名義人とローン契約者を分けることで、ローン審査に通りにくい方でも車を利用できるというメリットがある一方、手続きが複雑になったり、将来的なトラブルにつながったりする可能性もあります。

 

また、自動車保険・納税・車検といった手続きや義務の扱いも異なるため、それぞれの役割を事前に把握しておくことがポイントです。

 

特に任意保険については、加入条件や補償範囲に制限があるため、使用状況に合った内容かどうかをよく確認しましょう。

 

注意点としては、ローン返済中は所有権留保が設定されていることが多く、名義変更は基本的にできません。

 

トラブルなく車を利用するためにも、車の購入時点で名義人とローン契約者の関係について十分検討しておきましょう。

 

 

アウディの中古車を扱っているヤナセアウディでは、売買時に丁寧なサポートを行なっております。

 

アウディの中古車の購入を検討している方は、ぜひお近くのショールームでご相談ください。

 

清水 敏弘シミズ トシヒロ

ヤナセ入社後、VW・Audiの輸入業務を経験した後、オペルの広告宣伝やメルセデス・ベンツの神奈川エリア販売促進業務を経て、現在Audiの販売促進活動に従事しています。

様々なモデルに携わらせていただいた立場から、Audiの特徴や先進技術は勿論、Audiを所有することで得られる豊かなカーライフ等を丁寧にお伝えできればと思います。

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