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2024.05.09

中古車の支払総額とは?表示義務化の背景や内訳を解説

アウディヤナセオートモーティブの清水です。

 

2023年10月より、中古車を販売する際の価格を「支払総額」で表示することが義務付けられました。

この義務化により、消費者の皆さんがより安心して中古車を購入できるようになっています。

 

では、この中古車の支払総額には、どのような費用なのでしょうか。

反対に、どの費用は含まれないのでしょうか。

 

今回は、自動車公正競争規約・同施行規則の改正によって表示が義務付けられた、中古車の支払総額について、詳しく解説します。

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中古車の支払総額とは?改正された理由も解説

2023年10月1日より、自動車公正競争規約・同施行規則の改正が施行され、次のことが販売店に義務付けられることになりました。

  • 中古車の販売価格を「支払総額」で表示すること
  • 内訳(車両価格と諸費用)を表示すること
  • 価格に保険料や税金、登録などにかかる費用が含まれている旨を表示すること
  • 価格に登録時期や地域などの一定条件が反映されている旨を表示すること

 

これを遵守しなかった場合、販売店は警告や社名公表、違約金の支払いなどの罰則を課せられる恐れがあります。

 

なぜ支払総額に変更されたのか?

では、なぜ中古車の販売価格として支払総額を表示するよう自動車公正競争規約・同施行規則の改正が行われたのでしょうか。

 

その理由としては、次のことが挙げられます。

  • 不当な価格表示が常態化していたため
  • 不適切な販売行為が横行していたため
  • 不適切な諸費用の請求が行われていたため

 

従来の中古車販売では、上記のような不適切な行為を行う業者がおり、問題視されていました。

これまで販売価格の表示について明確なルールがなかったことで、曖昧さを利用した悪質な自動車販売が行われていたのです。

 

この問題点を解消するために整備されたのが、自動車公正競争規約・同施行規則の改正による「支払総額の表示義務」です。

 

2023年10月から中古車の販売価格表示には、「支払総額(車両価格+諸費用)」で表すという明確なルールができました。

 

中古車の購入にかかる費用の総額がわかりやすく表示されるようになることで、消費者の皆さんがより安心して中古車を購入していただけるようになっています。

 

 

中古車の支払総額の内容をチェック!

自動車の整備

前述のとおり、2023年10月から自動車公正競争規約・同施行規則の改正により、中古車の販売価格は支払総額で表すことが義務付けられました。

 

この支払総額とは「車両価格」と「諸費用」を合わせた、購入者が中古車購入にあたって最低限支払わなければならない合計金額のことです。

 

ここでは、支払総額の内訳となる「車両価格」と「諸費用」、それぞれに含まれる費用項目を確認していきましょう。

 

車両価格

車両価格とは、車両本体の価格のこと。

車両価格には、消費税のほか、次のような費用も含まれます。

  • すでに搭載されている装備(カーナビやオーディオなど)の費用
  • 納車前の洗車、車内清掃、クリーニング、ワックスがけなどにかかる費用
  • 点検料、整備料
  • 付帯する定期点検整備、保証への加入費用
  • 販売手数料
  • オークション販売による陸送費
  • 土日祝日の納車費用 など

 

上記の項目は、すべて中古車販売・納車において必須となるものであり、車両価格に含まれます。

 

販売店は、これらの項目を支払総額の車両価格外として、購入者に別途請求することはできません。

 

諸費用

支払総額のうちの諸費用には、中古車の購入において発生する保険料や税金、登録に伴う代行手数料が含まれます。

 

具体的には、次のような費用です。

  • 自賠責保険料(月割で次の車検までの期間分、自賠責が切れている場合には24カ月分の料金を支払う)
  • 自動車重量税(車検時)
  • 自動車税種別割(月割で未経過相当額を支払う)
  • 自動車税環境性能割/軽自動車税環境性能割(免税を受けられる場合も)
  • 法定費用(車庫証明・検査登録の証紙・印紙代)
  • リサイクル預託金相当額(車両価格に含めることも可能)
  • 検査登録手続代行費用
  • 車庫証明手続代行費用
  • 指定工場での検査費用
  • 工場への車両持込費用 など

 

ただし、検査登録や車庫証明の手続きについては、購入者が自身で行うことも可能です。

その際には、諸費用から利用しなかった代行手続きの費用が引かれることになります。

 

中古車を購入する際には、これらの費用が正しく見積もりに反映されているか、不適切な費用項目がないかよく確認することが大切です。

 

見積もりの確認ポイントについては「中古車購入時の見積もりを確認する際の注意点は?依頼方法も確認」もご一読ください。

 

 

中古車の支払総額に含まれない費用は?

中古車の支払総額に含まれない費用についてもご紹介します。

 

以下の費用が発生する場合には、購入者は支払総額とは別に支払う必要があります。

 

リサイクル料

リサイクル料とは、車を廃棄するための費用のこと。

新車購入時や中古車購入時に購入者が支払いを行います。

 

車体の基本的なリサイクル料(リサイクル預託金相当額)は諸費用または車体価格に含まれます。

 

しかし、後付装備などで未預託金のリサイクル料が発生する場合には、その料金は諸費用にも車体価格にも含まれず、別途購入者が支払う必要があります。

 

希望ナンバー申請費用

希望ナンバーを申請する場合にかかる証紙や印紙代も、支払総額には含まれません。

希望ナンバーの要否は、購入者によって異なるためです。

 

オプション費用

カーナビやオーディオの搭載、メンテナンスパックの申込みなどといったオプションにかかる費用も、支払総額には含まれません。

 

また、販売店がオプションの追加を購入条件とした場合、それは違反行為にあたります。

 

管轄外登録(届出)費用

車の登録や届出にかかる費用は、諸費用に分類されます。

 

ただし、県外登録などで管轄外の運輸支局で登録する場合には追加費用が発生し、それは支払総額には含まれません。

 

店頭以外の納車(配送)費用

店頭で納車する場合の納車費用は、支払総額に含まれます。

 

しかし、自宅や会社などといった店頭以外への納車については、その配送費用は支払総額には含まれず、購入者は別途支払いを行うことになります。

 

店頭以外の納車を検討している方は、「中古車の陸送費の相場は?納車費用との違いはある?」もあわせてご確認ください。

 

下取り関連費用

中古車購入時に車を下取りに出す場合には、「下取車手続代行費用」や「下取車査定料」が発生します。

これらの費用は支払総額には含まれません。

 

任意加入の自動車保険料

強制加入の自賠責保険とは異なり、自動車の任意保険への加入はユーザー判断に任されます。

 

また、加入の際もユーザー自身が行うため、支払総額には含まれません。

 

 

中古車の支払総額は車両価格に諸費用を加えた価格!内容を確認しよう

2023年10月より、中古車を販売する際の価格を「支払総額」で表示することが義務付けられています。

 

これは2023年10月に自動車公正競争規約・同施行規則の改正により、従来の曖昧な価格表示による不適切な対応を是正すべく制定されました。

 

中古車の支払総額は「車体価格」と「諸費用」という内訳で構成されます。

 

車体価格には、車体本体の価格に加え、清掃、点検、整備など、中古車の販売・納車において必須となるサービスの費用が含まれます。

 

諸費用には、自賠責保険料や税金、登録に伴う代行手数料が含まれます。

 

支払総額は、中古車の購入にかかる最低限の費用を表すものです。

希望ナンバー申請費用やオプション費用など、要否が購入者によって異なる項目については、支払総額には含まれないので気をつけましょう。

 

ヤナセアウディでは、上質なコンディションのアウディの中古車を多数取り揃えております。

 

アウディの中古車をお探しの際は、ヤナセアウディにぜひご相談ください。

 

清水 敏弘シミズ トシヒロ

ヤナセ入社後、VW・Audiの輸入業務を経験した後、オペルの広告宣伝やメルセデス・ベンツの神奈川エリア販売促進業務を経て、現在Audiの販売促進活動に従事しています。

様々なモデルに携わらせていただいた立場から、Audiの特徴や先進技術は勿論、Audiを所有することで得られる豊かなカーライフ等を丁寧にお伝えできればと思います。

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